罪を犯してしまう人たちは悪人?

人の命を奪うという行為は絶対に肯定できるものではありません。しかし、その罪を犯した人は絶対的な「悪人」なのでしょうか?
「ザ・ウォーキングデッド」を観ていると、そんなことを考えてしまいます。自分や仲間が生き残るために、あらゆる手段を探し、それでもどうしようもなくなり、結果として罪を犯してしまう人物が何人も描かれています。

主人公のリックだって例外ではありません。

もちろん、筆者は罪を犯すことを肯定しているわけではありません。しかし、単に「人を殺した」という結果に至るまでの経緯も注意深く追う必要があります。
ここでは、そんな罪を犯してしまう人たちについてお話したいと思います。

《「河内十人斬り」の熊太郎弥五郎は悪人なのか?》

河内音頭のスタンダードナンバーとして知られる「河内十人斬り」。関西エリアで暮らす方であれば、ほとんどの方がご存じなのではないでしょうか?
この音頭の歌詞はすべて実話です。それも遠い昔の話ではなく、明治時代に起こった大量殺人事件について歌われています。

つまり、城戸熊太郎、谷弥五郎は十人以上の村人を殺害した実在の殺人犯なのです。確かに彼らは殺人という罪を犯しました。それも十人以上の命を奪いました。被害者の中には子供もいました。こう言ってしまうと、熊太郎弥五郎はとんでもない極悪非道な人物だと思われる方がほとんどでしょう。
筆者も、かつてはそう考えていました。極悪非道なやくざ者が全量な村人をめちゃくちゃに殺しまくった恐ろしい事件だと考えていました。

しかし、熊太郎弥五郎の二人はこの事件を起こすに至った経緯を知ればしるほどに、彼らだけを責めることはできなくなってしまいます。 だからこそ、この「河内十人斬り」は今でも河内音頭のスタンダードナンバーとして現在でも伝えられ続け、愛され続けているのでしょう。

作家の町田康はこの「河内十人斬り」が起こるまでの経緯を、もちろん創作も加えられていますが「告白」という小説で描いています。詳しく知りたいという方は一読してみてはいかがでしょうか?

《ガヴァナー(総督)はやはり悪人なのか?》

「ザ・ウォーキングデッド」に登場するガヴァナー(総督)と呼ばれる男は、ストーリーの中では、少し頭のおかしい悪人として描かれています。
しかし、本当にそうなのでしょうか?確かに、彼の犯した罪は決して許されることではありません。事実、彼によって救われた命だって少なくありません。そのための手段は決して正しいこととは言えませんが、この荒廃した世の中を考えると、「仕方ない」と思える面だってあるでしょう。

繰り返しますが、彼は確かに多くの罪を犯しましたし、許されることではありません。しかし、その経緯や状況を事細かく知ると、やはり絶対的な悪人であるとは言えないかもしれません。

これはガヴァナーだけに限った話ではありません。「ザ・ウォーキングデッド」に登場する悪役キャラの状況や、それまでの経緯についても考えてみましょう。そうすると、少し違った一面が見えてくるかもしれません。
これはドラマの中に限った話ではありません。あなたがあまり好きではない人の置かれている状況や、これまでの経緯などについて冷静に考えてみましょう。それだけで、関係を改善できる可能性もあるでしょう。